木村“きむちん”正宏
地球と未来の育みびと。
元ヒマラヤ登山家。有限会社がんこ本舗代表取締役会長、株式会社dochaku取締役会長。株式会社がんこ本舗テクノロジー取締役会長。
洗濯洗剤「海へ…®」シリーズ開発者。
ヒマラヤで体感した「水は地球を巡っている」という実感を原点に、「地球の水を子どもたちに贈る」を掲げ、1999年に洗濯洗剤「海へ…®」を発売。その後も「海へ…®Step」「海へ…®Fukii」へと進化させてきた。
現在は、人・自然がともに育つ未来を思い描き、地域の豊かさを活かした「地域洗剤®」を全国へ広げるとともに、日本にとどまらず、より広い地域での活用を見据えた洗剤などの発明を重ねながら、暮らしのあり方を社会に問い続けている。
さらに、循環や知性をテーマとするNPO法人の設立を目指し、新たな研究・教育活動にも取り組んでいる。
全国富士講睦会事務局長、神職。
親族には、映画監督、お笑い芸人、放射線衛生学者など、各界で活躍する人物がいる。
木村“きむちん”正宏の歩み
01|環境活動から商品開発へ
木村“きむちん”正宏は、高校卒業以来、環境活動を続けてきました。
その後、登山家として二度にわたりヒマラヤへ。
雪や氷がやがて溶け、川となり、海へ流れていく。その大きな循環の中で、「水は地球を巡っている」ということを実感します。
下山後は「排水口は、小さな海」を掲げ、全国を巡りながら、できるだけ洗剤を使わない暮らし方について伝え続けました。
そんな活動の中、長野県小谷村での講演会で、一人の参加者から尋ねられます。
「では、洗濯には何を使えばいいのですか?」
市場にある洗剤を調べても、自信を持って勧められるものがない。
「ないのなら、自分で作ろう。」
この問いをきっかけに、洗剤づくりが始まりました。
02|海洋タンカーの事故処理研究から生まれた基剤との出会い
洗剤づくりで向き合ったのが、水に溶けにくい「油汚れ」でした。
衣類についた皮脂なども、もとは人の肌を守る大切な油分。けれど、排水として流れた先では、水環境への負荷の一つになります。
「できるだけ環境に負担をかけず、油汚れを処理できる洗剤をつくれないだろうか。」
模索を続ける中で出会ったのが、海洋タンカー事故における流出油の処理研究から生まれた基剤でした。
この技術との出会いをきっかけに、自らが納得できる洗剤を目指し、研究と試行錯誤を重ねていきます。
03|はじめはエコフリーマーケットから
1999年、完成した洗濯洗剤「海へ…®」を、東京・湯島聖堂のフリーマーケットで販売し始めました。
自ら洗剤を容器に詰め、切り株の上に並べて、一人ひとりに伝えながら販売する日々。
大きな広告があったわけではありません。使った人から人へ、口コミを中心に少しずつ広がっていきました。
洗剤を売ることだけではなく、なぜこの洗剤をつくったのか。暮らしの中から水を汚さないために何ができるのか。
製品とともに、その背景にある考えを伝え続けてきました。
04|すすぎ1回からゼロ濯ぎ®へ
「海へ…®」の発売後も、問いは終わりませんでした。
「本当にこれでいいのか。」
洗剤そのものの環境性能だけでなく、洗濯に使う水や電気、時間まで含めて、暮らし全体の負荷を減らすことはできないか。
研究と試行錯誤を重ね、「海へ…®」は、すすぎ1回型から、すすぎ0回でも使える「海へ…®Step」、そして現在の「海へ…®Fukii」へと進化してきました。
製品が完成するたびに、それを答えとするのではなく、次の問いへ。それは、現在も続いています。
05|一つの洗剤から、地域へ
地域には、その土地ならではの自然や素材、文化、そして人のつながりがあります。
そうした地域の豊かさを活かし、地域の中で洗剤をつくり、使いながら、水や自然を守る担い手を増やしていく。その考えから始まったのが「地域洗剤®」です。
2022年には、地域洗剤®の企画・運営を担う株式会社dochakuを設立。
各地の人たちとともに、それぞれの地域に合った洗剤づくりと、その土地の暮らしや環境を次の世代へつないでいく活動を続けています。
06|そして、地球へ
水の量や質、気候、生活環境は、世界の地域によって大きく異なります。
日本で培ってきた洗剤づくりの技術や考え方を、異なる環境で暮らす人たちにも活かすことはできないか。
現在は、より広い地域での活用を見据えた洗剤をはじめ、新たな発明と研究を続けています。
さらに、循環や知性をテーマとするNPO法人の設立を目指し、研究や教育にも活動の領域を広げています。
ヒマラヤで体感した「水は地球を巡っている」という実感から始まり、環境活動、洗剤づくり、地域、そして地球へ。
形は変わっても、問い続けていることは変わりません。
人と自然がともに育つ未来のために、今の暮らしで何ができるのか。
その問いを、発明と実践を通して社会に投げかけ続けています。
初の著書
『ヒマラヤに登った男は、
なぜ洗剤を作り続けるのか』
二度のヒマラヤ登山、環境活動、そして洗剤づくりへ。
木村“きむちん”正宏が何を体感し、何を問い、なぜ35年近くものづくりを続けてきたのか。その背景を、一冊の本にまとめました。
- 1958年
- 愛媛県宇和島市生まれ
- 1971年
- 中学時代に発明コンクール入選
- 1981年
- 東京農業大学卒業
その後、農業機械エンジニアとして作業用機械の開発6種
- 1988年
- 自然保護団体Nature Association主宰
- 1990~91年
- インド・ヒマラヤのガンゴトリ峰及びムルキラ(要塞)峰日本人初登頂
- 1992~99年
- 環境コーディネーターとして、環境保全型村おこしの提案(四万十川源流の東津野村ほか)
- 1999年
- 洗濯洗剤「海へ…®」発売
- 2000年~
- がんこ本舗に専念